なかったことにしてください  memo  work  clap






「深海、手ぇ冷たい」
「吉沢さんが熱いんですよ」
浴衣の裾を捲りあげて、ボクサーパンツの上にいきなり手を置くと、硬くなりかけたペニス
がびくびくっとうねった。
 その拍子に吉沢さんの口からも声が漏れる。あえぐ声を飲み込むようにキスで口を塞ぐと
お互い深く貪り始めた。
 結局吉沢さんだって、やりたかったんじゃん。なんて言葉は心の中だけに留めて、吉沢
さんのざらざらした舌の感触を絡めあいながら楽しむ。手の中で吉沢さんのペニスがカチカチ
になっていった。
「あーあ、パンツ、シミがついちゃった」
「お前の、所為だ、んんっ」
パンツの上から、先端をグリグリ押すとシミが更に広がっていった。吉沢さんの声を殺した
息遣いがたまらなくそそる。
「なんかおいしそうですよ」
唇から顔を離すと、そのシミの上からパクリと食いついた。じゅうっと吸い込むと僅かに
苦い味が口の中に広がる。
「はあっ・・・・・・ううんっ、深海っ」
吉沢さんが俺の頭を掴んでぶるっと身体を震わせた。
 拒否しないってことは、このまま最後までいけるってことだ。はだけた浴衣姿の吉沢さん
を見下ろして、どんな風に気持ちよくさせてあげようか、俺は一人でムフフと笑った。



 男のロマンなんて自分で言っちゃうようなものは大抵はちっぽけで、程度が知れてる訳だ
けど、これをロマンと言わずになんて言うんだと、俺は吉沢さんの酔いに任せて大胆になる
姿を見て思ていた。
 吉沢さんの浴衣が身体の回りで、乱雑になっていくたび、妙に興奮して、俺は自分のもの
がどんどん硬くなっていく。
 だから、どんなにはだけても、脱げ掛けの浴衣を羽織らせながら、吉沢さんにフェラさせ
てる姿は、ありえないような興奮に包まれた。
 エロさ10倍とは言いすぎかもしれないけど、こんな浴衣一枚で興奮がこんなに増すとは、
浴衣ってなんて魔法なアイテムなんだと、俺はニマニマと笑わずにはいられなかった。
「な、に」
「いや、いい眺めだなあって思って」
「ばーか」
「だって、いつまでも見ていたいですもん」
俺がそう言うと、吉沢さんは俺のペニスから一度完全に口を離して、俺を上目遣いで睨んだ。
それから、挑発するような表情を作って
「いつまで、そんな事、言ってられるか・・・・・・」
ぱくりと俺のペニスにかぶりついてきた。
 俺に言われたくないだろうけど、吉沢さんはセックスに貪欲な方だと思う。回数とか
派手なお誘いは無いけれど、気持ちよくなろうとする姿勢と、気持ちよくさせようとする
テクニックは一品だ。それがどれもこれも、今日はいつもに増して激しい。酔いの所為
なのか、旅行のハイな気分がそうさせているのか、とにかくろれつも怪しい吉沢さんからは
マックスのエロさが発せられている。
 どれもこれも、一々俺のツボを刺激してくれて、俺は溜まらずうっかり漏らしてしまう
んじゃないかってヒヤヒヤしまくりだ。・・・・・・実際何度も漏れちゃったことがあって、流石
にあれは情けなかった。ホント申し訳ない。
「ふは、ひぃ・・・・・」
俺のを口に咥えたまま、吉沢さんが俺を呼んだ。
「あっ・・・はぃっ」
返事をしようとして、目が合うとすかさず強い刺激が走った。舌の動きが激しい。口の隙間
から垂れ落ちる涎も、その涎で滑りながら擦り上げる右手も、全部がいやらしくみえて、
我慢しても小さな声が何度も洩れた。
「うぅ・・・・・・出したい」
吉沢さんの肩を掴みながらお願いすると、吉沢さんはゆっくりと口を離した。
「や、だ、ね」
やっぱり吉沢さんはちょっと酔いが回りすぎている。テンションが高すぎるし、いつもなら
こんなことはしない。
「吉沢さん?」
吉沢さんが俺の上に乗っかってきた。パンツは俺に脱がされて、畳の上にほったらかしに
なっていて、俺の上に座ると、お互いにカチカチになったペニスが当たりまくった。
「はぁん」
はだけた浴衣は気にも留めず、吉沢さんが俺の首に巻きついてくる。
 浴衣の間から手を滑り込ませて、腰を引き寄せると、吉沢さんがすかさずその手を振り
解いた。
「ダメ」
「何でっ」
「ふかみはー、今日、まぐろ」
「ちょっ・・・・・・」
どんだけ酔っ払ったんだろうと、酒の量を想像して怖くなったけど、こんな吉沢さん、滅多
に見られないと思うと、思わず吉沢さんの言いなりになってしまった。
 吉沢さんにどーんと、胸を押されて俺は布団の上にひっくり返る。見上げた吉沢さんは
にんまりとエロい顔で俺を見下ろして、俺のペニスに手を伸ばしてきた。
「うっ・・・・・・」
火照った手でペニスを扱かれると、我慢していても声が洩れる。俺の腿の上に跨って、とろん
とした瞳で俺のペニスを見続けるこの姿を、いつもの吉沢さんが見たら絶対に忘れろって
言うだろうな。そういうギャップが余計に興奮した。
 吉沢さんは俺の持ってきた「お泊りセット」に手を伸ばすと、そこから小瓶を取り出して
とろりと自分の掌に零した。
 じっと見つめてると、吉沢さんと目が合った。
「吉沢さん・・・・・・?」
「あんっ」
「え、あっ」
吉沢さんは煽るような視線を俺に向けたかと思うと、ジェルの付いた指を自ら自分の孔へと
持って行ったのだ。
 自分の指で中をかき混ぜながら、吉沢さんは気持ちよさそうに後ろに仰け反った。
布団の上に仰向けになって、マスターベーションショーを俺に見せ付けてる。
「それ、反則っ」
ちろちろと口の中から見え隠れする赤い舌。ぬめった指が吉沢さんの中に消えたり、現れ
たりを繰り返すたび、ペニスがパンパンに腫上がって、本当に破裂するんじゃないかと
思った。
 そんな俺を弄ぶかのように、吉沢さんは更に指を増やして、自分の中を広げていく。
「あぁ・・・・・・深海っ・・・・・・」
気持ちよさそうな声が吉沢さんの口から零れてくると、いよいよ我慢できなくなって、俺は
吉沢さんの両足に手を掛けた。
 吉沢さんの手を止めて、主導権を奪おうとその指を引き抜こうとしたら、またも吉沢さん
に睨まれた。
「邪魔すんなぁ」
吉沢さんは起き上がると、俺を二度も押し倒してきた。
 それから、あっと思った隙に、俺のペニスの上に自分の尻を宛がっていて、自ら開き
ながら、俺のペニスを飲み込んでいったのだ。
「ああっ・・・・・・」
「吉沢さんっ・・・・・・うおっ」
ゆっくりと沈み込んで、根元までずっぽり隠れてしまうと、吉沢さんはそこで大きく息を
吐いた。鼻から抜けていく息が、完全に止まると、俺の肩に手を乗せて、自分の腰を引き
上げる。
「はあっ」
「うぐぅ」
じゅるっとジェルの泡立つ音がして、吉沢さんの腰が落ちてくると、それだけで目の前が
チカチカする。
何だろう、この天国みたいなシチュエーションは。
本日、俺、完全にまぐろです。
 腰を振ってくる、いやらしい上司にメロメロになってますよ、俺は。新井のアホの台詞
じゃないけど、温泉宿は、酔った勢いで何があるかわかんないな。
 新井には残念だけど(しかも、ざまあみろだ)この吉沢さんは俺のものだ。
勝ち誇った気分が余計に興奮させてくれて、俺のペニスは完全に爆ぜる寸前になった。
「吉沢さん、やばい・・・」
「ああっ・・・」
まぐろでも、まな板の上で悪あがきさせてくださいよ。
 俺は吉沢さんのペニスに手を伸ばして、腰の動きに合わせて扱き始めた。
「あっ、深海っ」
「一緒に・・・・・・いけます?・・・・・・俺、もう、ダメっ・・・・・・あうっ」
俺の顔を覗き込んで、吉沢さんはコクコクと頷いた。
「イ、イク、深海と、一緒に・・・」
急ピッチで手を動かすと、吉沢さんも沸点が相当低くなっていたようで、中がぎゅうっと
しまった。
「あっ・・・・・・」
「でるっ」
吉沢さんのペニスが手の中で膨らんだと思ったと同時に、俺と吉沢さんは気持ちよく、見事
に同時にフィニッシュを決めていた。



 酔いがさめたら、吉沢さんの事、ちょっとからかってやろうなんて思いながら、俺はその
まま、吉沢さんの部屋で朝まで眠りこけた。そういえば、しつこく携帯電話のメールが
鳴っていたけど・・・・・・まあいっか。こんな日のメールは例え取引先の相手でも、無視だ。
 俺はすっかり新井の存在を忘れて、夢の国へと旅立っていった。





 次の日、朝風呂を浴びに大浴場へ向かっている俺と吉沢さんの前に、新井が現れて、俺を
発見するや否やものすごい剣幕で俺ににじり寄ってきた。
「先輩!!」
「おう、起きてたんか」
「起きてましたよ、ずっと!どこ行ってたんですか」
「え?・・・・・・課長のトコで、朝方まで飲みふけってて・・・・・・」
「2人でですか!?」
「そう、だけど・・・」
「ずるい!!ひどい!!」
新井の表情が泣きそうになっている。すまんな、新井。お前が高いびきかいてる間に、お前
の大好き吉沢課長は美味しく戴いちゃったんですよ。・・・・・・いや、昨日に限っては、美味しく
戴かれちゃった感の方が大きいけど。まあ、そんなことは新井にはどっちでも関係ないか。
「俺、夜中に起きたら先輩がいなくて、ずっと携帯にメールしてたんっすよ」
・・・・・・あのしつこく鳴っていたメールの主は新井だったのか。
「気がつかなかった。すまん」
「俺、先輩が夢遊病でどっかに行っちゃったんじゃないかって、そりゃあもう心配で
心配で・・・・・・」
「・・・・・・」
そんなことを心配するなら、お前の頭の構造を心配しろ。
「それなのに、課長と飲んでたなんて・・・・・・ひどいっす!先輩は裏切り者っす!」
「裏切り者ってなんだよ」
そう言うと、新井は俺の腕を引っ張って、俺だけを廊下の隅に連れて行くと、小声で俺に
宣告してきた。
「俺、先輩には負けるつもりはないですから」
「は?」
「吉沢課長、先輩には渡さないっす!」
「意味がわかんねえよ!!」
こいつ、本当にまだ吉沢さんが恋人になるってこと信じてるのか。いい加減俺達の仲を言って
しまいたい気分だけれど、こいつに言ったら最後だと分かっているので、それも出来ない。
もどかしい気分で、俺は溜息を吐くしかなかった。
「何してんだ、早く行くぞ」
2人でこそこそしている俺達に、吉沢さんが声を掛ける。
「はい!今行きます!」
新井はピカピカの笑顔になって返事をすると、俺よりも、先に飛び出していって、吉沢さん
の隣を歩き始めた。
 俺も慌てて2人の後ろを歩き出す。新井が振り返って、勝ち誇ったようなガッツポーズを
見せたので、俺はスリッパの足でそのケツを蹴ってやった。
「痛っ!!何すんですか」
「蹴りたいケツがちょうどそこにあったんだよ」
新井はケツをさすりながら、俺を睨みつけると子どもみたいに頬を膨らませて言った。
「ふん。男の嫉妬は見苦しいっすよ、先輩!」
そんなやり取りを繰り返していると、吉沢さんが新井の見えないところで、俺に笑いかけて
くれた。それで、新井と反対側の吉沢さんの隣に並ぶ時に、一瞬、指を絡ませて、ニヤっと
笑った。
「なんっすか?」
「これで新年まで新井のアホの顔を見なくて済むと思うと嬉しくてにやけちゃったんだよ」
「ひどいっす!俺、年明けたら、一番に先輩のとこに挨拶行きます」
「来るな」
「あ、違った。一番は吉沢課長だった。先輩よりも早く挨拶行きますから!!」
「お前なんか来たら課長だって迷惑だろ」
「いや、行くっす!・・・・・・ところで吉沢課長、どこに住んでるんでしたっけ?」
一瞬2人の愛の巣に新井がやってくるところを想像して、俺はぶるっと震えた。
 いやいや、来るな来るな。絶対無理だから。
「・・・・・・仕事始まってからでいいよ」
吉沢さんが呆れ顔で新井に答えた。
「そうっすか。俺は一番に会いに行きたいんすけど」
「気持ちだけで十分、お腹一杯だから」
「じゃあ、仕事始めの日は一番に挨拶に行きます!先輩よりも早く!!」
俺と吉沢さんは、一瞬目を合わせて、それから盛大に溜息を吐いた。
 どこまでアホなんだ新井は。いい加減来年こそは成長して欲しいもんだけど、こいつに
過度の期待は厳禁だし、多少アホでいてくれた方が、俺達の事を勘繰られなくて済むから
それはそれで仕方ないか。
 新井の妙なライバル心を煽ってしまった俺は、来年もこのアホな後輩に振り回されそうな
予感で眩暈がした。頼むから厄介ごとは持ってくるなよ、この疫病神。
 まあ、俺達はそんな新井のアホが入り込む余裕なんて無いほど幸せなんだけどさ。
吉沢さんの後頭部を見下ろしながら、俺は誰にも譲れない幸せを一人かみ締めていた。











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