なかったことにしてください  memo work  clap
u n i q u e



 朝目覚めると、部屋には誰もいなかった。翔は手を伸ばし時間を見る。10時を少し回ったところだった。
「・・・置いてかれた?」
あまり回らない頭で現状を理解しようとする。寝起きにタバコが吸いたくなるが、タバコの箱を
探しながら、満の部屋だということに気づく。
 翔は代わりに冷蔵庫からコーヒーの缶を1本出すと、一気に飲み干した。
「参ったな・・・」
室内のクーラーは効きっ放しで、喉がからからした。そのおかげか外の暑さを思い出させないほど
身体はひんやりと冷えて、肌寒いほどだった。
 夜、寮監室で満に散々言いたいことを言われ、ビールで酔いつぶれた。ここまでどうやって帰って
きたのか、翔には記憶がなかった。
 翔は部屋を見回す。目に留まった本棚は満らしく几帳面に本が並んでいる。翔は本の背表紙を
順番に眺めた。
『対位法基礎』『平均律とバッハ』『近代音楽と音階』目でなぞった本の題名はどれも意味が
分からなかった。ただ、この本棚の半数近くを占めているものは音楽関係らしかった。
(満、音楽関係の大学でもいくのか・・・?)
昨日は気づかなかったが、ベッドの陰に大きなケースが置いてある。
「ギター?」
翔はその形からギターを想像したが、よく見ればギターよりも大きい。翔はその楽器を間近で見たこと
がなかったが、ケースの隣に置いてある小さな段ボール箱に手書きされた文字を見てそれが、何であるか知った。
『チェロ用・松脂・捨てるな』
線の細い滑らかな文字。満の字だ。
(あいつ、楽器やってるなんて一言も言ってなかったじゃないか・・・。相変わらず自分のことは
秘密主義なんだな・・・)
翔が部屋の中を物色していると、部屋の外から足音がした。
 そして、それは満の部屋の前で止まる。翔は満だと思った。
「満、どこ行ってたんだよ」
部屋の戸が開いたので、てっきり満が入ってきたと思い翔は振り返りもせず言葉を発する。
「・・・」
返事がないので、翔は不信に思い振り返った。
「満・・・?!」
思いがけない人間が立っていた。
「リョウ・・・なんで、お前がいるんだよ」
現れるはずのない場所に現れるはずのない人間がいる。翔は軽いパニックを起こした。何でいるんだ。
何しに来たんだ。本物か?本当にリョウなのか?
 翔の頭の中で疑問がぐるぐると回り、動悸が激しくなった。
「・・・満に、呼び出された」
「?!・・・あいつっ」
翔は思わず舌打ちする。極めつけはコレか。初めから仕組まれていたのか、この大阪行きは。自分の
読みの甘さに翔は辟易した。
 満が自ら、亮太と翔の仲を取り持とうなどと思うはずはない。だったら、この首謀者は、あの3人の
うちの誰かだ。翔は3人の顔を思い出して、どう考えてもそれは悠以外ありえないと悟る。
 いいヤツなのかお節介なのか。翔の動向を心配そうに見上げる悠。気を使ってくれるのは
ありがたいが、悠にこんな風に動かされるのは本望ではなかった。
 入り口で亮太は居場所がないように立ち尽くしているので、翔は小声で入れば?と言った。
その声に促されるように、亮太は部屋に入る。
「・・・何しにきたんだよ」
 会いたいか会いたくないかと聞かれれば、会いたくないと答えるだろう。自然と言葉に棘が出る。
「翔に会いに来た」
「俺に?」
「明日から、甲子園だから・・・その前にもう一度翔と話したかった」
「俺は、もう、話すことなんて何もない」
話す隙を与えたくなかった。そのまま帰って欲しいと願ったが、亮太は引かなかった。
「もう、喧嘩して、自分の言いたいこともいえないで、スランプになるのは、嫌なんだ」
「・・・お前、ホントにスランプになったのは、俺のせいだっていうのか?!」
「別にお前のせいにするつもりはない。ただ、原因はお前だ」
「わかんねーよ」
「お前が、野球もしないのに、小田南になんて進学するから・・・下手に期待なんてさせるから・・・」
「勝手に期待したのはお前達だろ!俺は中学の関東大会が終わったとき、はっきり言ったはずだ。
もう二度と、お前とは野球をしないって」
「なんでだよ、翔、あんなに野球好きだったのに、一緒にキャッチボールして、バッティング
センターにも通ったし、ずっと一緒にやってきたじゃないか」
翔は亮太を睨みつけた。何で分からないんだ。俺がどんな気持ちなのか、何でお前は分かろうとしない。
「もう、嫌なんだ。お前と一緒にいるのが。リョウと野球が切れないかぎり、俺は野球はしない」
「なんでだよ。何が不満なんだよ。お前、なんでも1人で決めて、俺には意見する余地も与えて
くれないのか?お前の本当の気持ちを聞く権利すらないのか?」
本当の気持ち・・?ああいいさ、だったら言ってやるよ。教えてやる。
「・・・俺はな、もううんざりなんだよ」
翔は、立ち上がって、亮太の前に立つ。頭一つ分ほど身長差があった。翔は睨みあげた。
「・・・お前といると、お前の才能ばかりが見える。俺にはない、その光って眩しい才能が俺の心を
どんどん暗くするんだ。どうせ、俺はお前の影なんだ。お前を引き立たせる暗い影。凡人代表
として、お前を引き立たせるただの道化。お前といると俺は自分が惨めで辛いんだっ!!」
くそっ、分かったかよ、コレが俺の本当の気持ちだ。お前といるとしなくてもいい劣等感で自分が
押しつぶされてしまうんだよ。俺は惨めなのが一番いやなんだ。
 翔は肩で息をしながら、亮太を見上げる。見上げた亮太はひどく傷ついた顔をしていた。そして、
苦痛を我慢しながら吐き出した言葉は翔にとって意外な言葉だった。
「俺は、お前が俺の傍からいなくなることが何より辛い」
「え?」
「俺はお前を手放したりしない。絶対に」
「何、言ってんだよ・・・」
真剣な眼差しから、亮太が自分をからかっているわけではないと思うが、翔はその意味が
分からなかった。それでも亮太が怖くなって、後ずさりする。
「お前さ、ちっちゃいときから、器用で、俺と違って回りのことよく見えたりして、野球一筋の俺
とは全く逆のような存在だった。そんなお前といるのが、俺は楽しかったんだ。野球してるときも
くだらないことで馴れ合ってるときも、俺より前を向いてるお前が誇らしかった。俺の憧れだった。
俺の幼馴染は、こんなにもすげーヤツだって、自慢したいくらいにな」
「俺に対するいやみか、それは?」
「違う。俺は、ホントに純粋にそう思ってたんだ。お前が野球をやめるって言い出すまではな。
お前が苦しんでるって知って、俺は愕然とした」
亮太が、翔との隙間を埋める様に、にじり寄ってきて翔の腕を掴んだ。大きくてごつごつした手が
翔の白い腕をがっちり掴む。
「何、すんだ・・・よ。離せっ・・・」
翔は軽い抵抗をするが、亮太は離さなかった。
「俺だって、自分の才能をわかってる。過信してるわけじゃない。だから、お前が辞めるって言った理由が、
俺との差なんだってすぐに判った。でも、それは俺にとってどうすることもできないじゃないか。お前に
逃げるななんていう権利はない。追いかけて来いとも、一緒に続けようとも俺は言えなかった。
だけど、だからって、全てを捨てて俺から離れていくこと、ないじゃいかっ」
引き寄せられた腕は痛いほど強く握られて、亮太の厚い胸板に翔の顔は密着した。亮太の匂い。汗と
男の体臭の間に、昔から知った亮太の甘い匂いがする。
「・・・痛い、離せっ・・・」
「お前が俺から逃げるのなら、俺は離すわけにはいかない」
「何言ってんだよ、お前・・・」
「俺はお前以外、いらない」
いつも、物言いたげな顔して押し黙っていたあと一言が、漸く言葉になった。重い重い一言だった。
亮太はいつも見ていた。純粋に隣に並ぶ幼馴染を、複雑な思いで。年頃になれば、それなりに人を好きに
なり、クラスメイトの女子からも告白された。幼いながらも、恋人と呼べる相手を持ち、心穏やかな
時間を過ごした。けれど、それでも埋める事のできない強烈な思いはいつも翔に向かってだけ伸びていた。
 打ち消そうとその思いに向き合うほど、焦がれる。自分を傷つけ、翔を傷つけ、そして翔に傷つけられた。
それでも、翔が自分から離れていくことに、亮太は我慢できなかった。自分を完全に否定する言葉。翔に
その言葉の意味がどれだけあったのか。翔とてそれは真実であったし、一時の感情に任せて出た言葉では
ない。心の奥底で渦巻く亮太への憎しみは亮太本人を否定する以外消し去ることはできないだろう。
 その一方で翔は、亮太が自分から本当に去っていくことを描くことが出来なかった。そんな言葉なのだ。
 亮太は、自分でも思わぬほどスランプに陥った。いつもの喧嘩で済ませるはずが、自分への完全否定に
情緒どころか、身体まで不安定になってしまった。限界だった。
 悶々としたまま、亮太は甲子園までやってきてしまった。地方予選の決勝は何とか乗り切ったが、これ以上
今の状態で勝ち続けることは無理だと自分でも分かる。監督にもコーチにも叱咤や激を飛ばされる。悩んで
いることがあるなら話してみろと、いろんな人間から言われたが、誰にも相談できるはずがなかった。
 満がやってきたのは亮太が甲子園入りしてすぐのことだった。練習場に、懐かしい顔を見つけて亮太は
驚いたが、そのあとに発した言葉にはもっと驚かされた。
「セッティングはしてやる。だから、自分で解決しろ」
「満・・・?」
「ああ、なんも言わんでもいい。俺は巻き込まれるのはごめんだから。これは、悠が言い出したお節介事業。
ありがたく受け取っておけ」
と。
 そして、呼び出された満の寮。寮の前で満に部屋の番号を告げられた。中に誰がいるのかは分かっていた。
そして、自分が決着をつけなくてはいけないことも。
「・・・リョウ、本気なのかよ」
「ああ」
 亮太は躊躇いなく頷く。翔は信じ難かった。
俺は、幼馴染で、ただの同級生で、男で、コイツが惚れるような容姿もましてや身体も持って
いなくて・・・なのに、コイツときたら、女と同格に俺を扱うっていうのか?何考えてるんだよ。
 馬鹿なヤツ。この俺に懸想してるっていうのか?ホント、バカだ、コイツ。お前との歴然とした
才能の差を見せ付けられて卑屈になりまくってる俺にリョウは惚れてるっていうんだ、こんな
滑稽で、あほくさくて、ふざけた話あるかよ。
 翔は泣きたくなる。鼻の奥でつんとこみ上げた感情が差す。こんな、バカなことあるかよ。リョウは
バカだ。なんで、俺なんかを選ぶ?俺の気持ちはこんなにもお前を憎んでるっていうのに。ホントにバカ。
 そして、俺もバカだ・・・。
心にリョウと満の言葉が浮かぶ。それは、今、辛辣に翔の胸をえぐった気がした。
 「辛いのはお前だけだと思うな」「悲劇の主人公はお前だけじゃないんだぜ?」ああ、そうだな。俺だけ
じゃないんだな、バカなのは。きっとリョウは俺に惚れて、ずっと悩んだのだろう。それくらいは想像できる。
じゃあ、アイツは、俺の気持ちもリョウの気持ちにも気づいてたっていうのか。・・・ホント嫌なヤツ。
人の何歩も先を読みやがって。
腹は立つが、否定はできない。いや、否定ができないから腹が立つのだろう。翔は半ば諦めた
気持ちになって、亮太の胸に顔を押し付ける。頭に上った血がゆっくりと身体を巡ってもとのテンション
へと落ち着いていく。
 そして、翔は逡巡してその答えにたどり着いた。
 いいぜ、リョウ。お前が望むのなら、落ちるところまで落ちてやるよ。お前が俺を離さない
っていうのなら、お前は二度と俺から離れなくさせてやる。
 そして、それが、俺にとってどんな意味であるのか。お前にとってどんな意味であるのか。
このどす黒い感情で、分からせてやる。俺を選んだこと、必ず後悔させてやる。
お前をこの身もろとも、ずたずたにしてやるよ。
 一緒に落ちたら、お互いの乾きくらいは潤せるだろ?
 翔はくつくつと笑って、亮太を見上げる。やや挑発的な目は新たなステージへの幕開けだ。
「いいぜ、リョウ。俺、お前に抱かれてやるよ。それで、お前が満足するなら、俺はお前から
逃げないでいてやる」
亮太の瞳孔が開き、翔を凝視する。翔の行動の意味を測りかねているのだろう。
 躊躇う亮太から離れて、ベッドに座らせると、翔はTシャツを脱ぎ捨てた。
その眼差しが挑発的すぎて、亮太は眩暈を起こしそうになる。翔の身体は中学の頃より明らかに
筋肉が落ち、肌も白くなった。自分との体格を比べて、亮太は愕然とする。
そして、翔の腕を引き込み自分の胸の中に納めた。
「お前がどんなつもりなのか、分からない。ただ、お前がその気なら、俺は遠慮しない」
亮太は翔をベッドに押し倒し、うなじに顔を埋める。やんわりと吸い付かれ、翔は肌に伝わる快感と
恐怖を知る。
 強い力でベッドに押し付けられ、身動きは殆ど出来ない。亮太の顔が自分の身体を試すように
下へ下へと降りていく。
 亮太に身体の突起物をぐりぐりと嘗め回され息があがった。自分が感じていることに翔は怯えた。
「・・・ずっと、翔を抱きたかった。お前に気持ちを告げたかった」
亮太に抱かれてもいいと思ったのは確かだが、必死で抱いている亮太を心の中で笑ってやるつもりだった。
なのに、歴然とした力の差を見せ付けられ、自分が快楽に溺れそうになる、主導権を亮太に持っていかれる
のではないかと思った瞬間、翔は亮太を拒んだ。
「嫌っ・・・」
短く叫んでも、亮太はその行為をやめることはなかった。
 それどころか、亮太は翔のボクサーパンツの中に手を突っ込み、暴れだし始めた欲望を加速させる。
慣れた刺激なはずなのに、相手が亮太であるというだけで、翔は頭がおかしくなりそうだった。
 萎えてしまえばいいと思ったのに、刺激に従順な身体は、欲望のはけ口を探し始めている。
亮太に軽く扱かれた後、口に咥えられ、ねっとりとした舌の刺激に翔はよがった。
「俺で、感じろ」
亮太の甘い声に翔の身体が反応した。受け続けた刺激の果てに、翔は亮太の口の中で爆発させた。
「あ・・・うっ・・」
はあはあと肩で息をし、堅く閉じた目を開いた。自分のされた行為が目の前に広がる。恥ずかしさと
悔しさで顔を背けずにはいられなかった。
 違うっ・・・俺は、抱かれたいんじゃない。コイツが必死になるのを、笑ってたいだけなのに・・・。
 快楽に溺れない自信があった。街で引っ掛けた女たちを喜ばせることは得意だった。そうして、
醒めた目で、女を見下していた。
 それなのに、今の自分は、あの女たちと一緒じゃないか。
悔しくて、亮太の腕の中から逃れようとするが、亮太は翔をがっちりと押さえつけ、体中に赤い
欝血痕を残していく。
「いや、だ・・・」
身体を反転させられ、亮太は翔の蕾を刺激し始める。
「ひぃっ・・・」
生ぬるい舌の感触に翔は身体がそこから溶け出すのではないかと思った。
 自分が抱かれる、その意味がはっきりと分かる。
べたべたになった蕾に、亮太の固い指が添えられた。亮太は躊躇うことなく、翔のそこを攻め立てた。
「う・・・ぐぅ・・・」
 痛みと快楽は、どちらもそこにあった。それは諦めるしかない。
 そうだ、俺は心まで、お前にやったりしない。お前にくれてやるのは身体だけだ。
翔はそう思いながら、亮太を受け入れる。じりじりと裂ける痛みを伴って亮太は侵入してきた。
「翔・・・」
自分がどれだけ強引にその行為を受け入れているのか、引き裂かれそうになる痛みに翔は何度となく
意識が飛びそうになる。
 圧倒的な力と威圧的な態度に恐怖を感じながらも、亮太の腕の中で半分はよがっている自分に、
翔は恥じた。
「翔・・・出すぞ・・・」
亮太が甘い声を出す。添えられた手の刺激で、翔もまた、同時に果てた。
(・・・なんで、俺、コイツに抱かれてるんだっ・・・)
ほぼ無理矢理に近く貫かれた身体は明らかに悲鳴を上げて、翔は肉体的痛みとやり場のない苦痛で、
現実と夢の狭間で漂っている。
 リョウ、お前はこれで満足か?俺の身体を手に入れて、支配した気分にでもなったか?もし、お前が
それで満足しているなら、お前は最低のバカだ。
 俺はお前に身体をくれてやっただけだ。俺の心はお前になんか支配されない。俺はお前を憎み続ける
のだから。
 これから、お前は俺を幾度となく抱くだろう。でも、そうやってその身体で俺を味わう度、お前は
俺の呪詛でやられていくんだ。お前は一生掛けて俺に溺れるがいい。俺から離れられなくなればいい。
そうして、俺はそんなお前をここで嘲ってやる。最低な暗闇のどん底でお前の腕に、足に、絡み付いて
一緒に溺れてやる。
「・・・翔、泣いているのか?・・・翔・・・」
遠くで亮太の声が聞こえる。辞めろ、俺の顔に触れるな。そう思うが腕をあげて振り払えるほど力が
入らない。
「・・・俺は、謝らないからな。後悔もしない。お前を手に入れるためにもがいた年月を無駄にしたくないから。
この先、どうなろうと、お前を手放しはしない。例えお前が俺を憎しみ続けてもな・・・」
 翔は自分がどれほど涙を流しているのかも理解できないまま、浅い眠りに引きずられ、意識が
遠のいていった。

 小4の悠が亮太に向かってボールを投げている。キャッチャーは満。外野は慎吾。サードの
康弘に、ファーストの翔。高く上がった打球は慎吾の頭上を越えた。
「・・・亮太〜、打ちすぎ〜」
慎吾の情けない声が聞こえる。ファーストベースを通り過ぎるときに、翔は亮太とハイタッチを交わす。
「リョウ、最高!」
「翔!」
響く笑い声に翔は思う。
「俺の幼馴染は、こんなにも野球が上手い。一緒に野球ができて楽しい」
この先の不安など何一つ思い描くことなく、亮太と永遠に一緒に野球をしていると思い続ける幼い翔。
 そして、甲子園で一緒に優勝を喜んだり、プロ野球で敵チームとして対戦したり、仲間になって、
日本一になる夢を、毎日のように描いている。
 何も疑問を持たない日常の出来事。


 夢から目覚めると、17歳の亮太が規則正しい寝息を立てて隣に転がっていた。あどけない寝顔だ。
翔はその日、初めて、この夢を見て泣いた。



(了)

2006/09/10
えっと、はい。終わりです。コレはコレで完結です。
1つ。これを書き始めて、あさのあつこ先生の「バッテリー」を読みました。わおっ・・・。なんだこのデ・ジャ・ヴ
3話目書いてる時、読んで、びっくりしました。なので、これはバッテリーの二次作品でも派生作品でもありません。
・・・が、なんか申し訳ないのであさの先生オマージュ作品ってことで、許していただければと・・・。






よろしければ、ご感想お聞かせ下さいvv

レス不要



  top > work > uniqueシリーズ > unique10
nakattakotonishitekudasai ©2006-2010 kaoruko    since2006/09/13