だってあなたといたいんだもん Merry Xmas 特別編―雨宮の境地―
「じゃあ次。基本・・・ボイルシャルルの公式は?」
「んっ・・・雨宮っ・・・」
「正解しないと、このままだよ」
「やっ・・・えっと・・・PV/T=PV/T=一定・・・!!」
「そう。じゃあ・・・それ使って、問2を解く」
目の前に散乱してるのは、今日の塾のテキスト。オレがさっき雨宮に聞こうと思って言い
出しかけた問題だ。プレゼントの所為でうやむやになってしまったけど、あれから落ち
着いたあとで、雨宮がテキストを引っ張り出して
「何が分からないの?」
と聞いてくれたことに始まる。
物理は正直苦手。それに比べて変態的に問題を解いていく雨宮は正に打ってつけのオレの
先生だったりするんだけど、この卑怯者がただで教えてくれるわけはなくて。
頭がぐわんぐわんして、手に付かないのは、間違いなく雨宮の所為。
「も、もうやだっ」
「はやく。問題読んで」
雨宮はテンション変えずに俺の耳元で囁く。それだけでも腰がくねるっていうのに。
その手!やめろ!
「はうっ」
雨宮の手がさっきからオレのイイトコばっかり触って、こねくり回すから股間がビンビン
反応しまくり。
「は、や、く」
「えっと・・・あ、圧力を・・・上昇させるってことは・・・温度も上昇するってことで・・・」
こんな事してたらオレの体温の方が上昇するわ!馬鹿!
雨宮の指がオレのジッパーを当たりを行ったり来たりして、その度身体がびくびく震えた。
なんで、素直に教えてくれないんだ、こいつは!
「こういう、非日常的な体験と一緒に覚えると、忘れにくいんだよ」
囁く雨宮の声が耳の奥でざわざわと唸る。それが体中に駆け巡って、また体温が上がった。
冬なのにエアコン要らないくらい発熱してる。
ジッパーを下ろす音が聞こえるとオレの身体の強張りは一段と強くなった。
「脳みそ刺激されるから、活性化するね」
「するかよっ・・・んんっ」
するするとズボンの内側に手が入り込んできて、俺の半勃ちしてる股間を雨宮は強く握った。
下着の上からでも握られれば我慢なんて出来るわけはない。
「うっ・・・」
瞬間、体中に力がこもり、オレの股間は戦闘体勢になっていた。
「丘、やる気満々」
「問題解く気、満々って・・言えっ!っ・・・はっ」
「で?解ったの?」
「解るかぁあっ」
腰をくねらせて、持っていたシャーペンを机の上に放り投げる。限界。考えられるか!
睨みつけようと思って見上げても、股間にある雨宮の手が動く度とろんと力が抜けてしまう。
「誘ってるの?」
そんな風に言われても、否定する事も出来ず。
「仕方ないね、おいでよ」
引き摺りあげられて、ベッドに雪崩れ込む。同時にお互い堰を切ったようにむさぼるような
キスをした。
雨宮だって、結局のところ我慢してるんだよな。ドSなのかドMなのか。
唇を合わせたところを舐めあって、舌を引きずり出して絡める。雨宮のメガネが頬に
当たって曇った。
「ハムっ・・・」
雨宮の唾液が口の中に広がる。飲み干そうとして咽た。
あふれた唾液が唇の端を伝ってこぼれていく。
「イヤラシイね」
それを雨宮がべろっと舐める。抵抗なんてとっくに出来なくなっていて、オレの脳みそは
次の刺激を探し始めていた。
「あまみやぁ」
雨宮は、脱げ掛けた制服のズボンを最後まで下ろしてむき出しの股間に手をやる。オレも
負けじと雨宮の制服に手を伸ばした。
お互い服を脱がしあって、寒いって罵り合って、布団の中に潜り込む。雨宮の肌は温か
くて、張り付くと気持ちよかった。
「当たってるよ」
「うっさい」
年頃の男なんて所詮、みんな即物なんだ。
いいようにしごかれて、腰の辺りが熱い。前の刺激だけではすっかり物足りなくなって
おねだりみたいな体勢になってると、雨宮の指が伸びてきて、オレの中をかき混ぜてきた。
「元気だね」
「お前の・・・所為っ・・・でねっ・・・んん」
「力抜いてよ、指痛い」
「じゃあ、そんな・・・っ、風に、かき混ぜんなっ。あっ」
雨宮の指が容赦なくオレの中を這いずり回る。気持ち悪いのと気持ちいいのってどんな
違いだったっけ。
冷静でいると恥ずかしくなるから、出来るだけ自分が自分である事を忘れようと、雨宮
の指と刺激の強さに酔った。
内側の壁を圧迫していく度、激しい衝動が自分の中を駆けてく。
「あまみやぁ」
「気持ちよさそうだね」
「・・・・・・お前も、んん・・・やってみるっ?」
「冗談」
雨宮はにんまり笑って、オレの中から指を引き抜く。抜かれた瞬間、妙な脱力感で身体から
力が抜けた。
そこを雨宮は逃がさずオレの腰を掴むと、今度は指なんか比べ物にならないモノをオレ
の中に突き刺してきた。
ベッドに寝そべったまま、後ろから抱きすくめられて、そのまま密着する。
「ああっ・・・・・・」
「うっ」
身体の中が圧迫される。中が熱い。
「あっ、あっ・・・」
刺激に没頭してると、雨宮がオレの中の一番奥まで突いて腰を止めた。
「・・・・・・っ、で、さっきの、わかったの?」
「は?」
「も、ん、だ、い」
こ、この期に及んでまだ言うのか、お前は!
「終わってないでしょ。あれも、これも」
アレも、コレも。雨宮の声が響くたび、中がびく、びくっと震える。
「答えるまで、イかせてあげない」
「なっ・・・」
こんなときに、考えられるか!!
首だけ振り返って、雨宮を睨みつけると、雨宮は仕方ないなって顔で笑った。
「ボイルシャルルの法則、pV/T=一定。pとVとTって何?」
「えっ・・・pが圧力でVが体積でTが絶対温度っ・・・だろ!」
「・・・ボイルシャルルの法則っていうのは、pV/Tが常に一定ってことでしょ?だからさ、
要するに、丘の中のココを俺が圧迫すると、当然絶対温度も上がるってこと。今、お前の
中、すごい熱いはずだよ」
「はあ?っ・・・あっ」
ずるっと雨宮が腰を引いた。
「で、俺が引けば、圧力が下がって、熱も下がると」
あああん?!
そ、そんなことを説明しながら、セックスするやつがどこの世界にいるんだ!!
「あま、みやっ!」
「加圧すれば、熱が発生する。この熱をエネルギーに変換して、最後には減圧して元の位置
に戻す」
雨宮は説明しながら、俺の中を何度も往復する。卑猥な音が耳に入って来ると、恥ずかしさ
でどうかなりそうだ。
「はあっん・・・」
雨宮の腰が動く度、オレの体温はどんどん上昇して、ざわざわと自分の中の衝動が抑えら
れなくなっていく。雨宮はオレのそんな反応を楽しむように、ゆるく、速くと、スピード
を変えて動いた。
「で、この熱から運動を生み出す一連の動きをピストン運動というんだな」
「そんな上手い事、言わんでもいいわ!!」
「せっかく、親切丁寧に解りやすく教えてやってるのに。お前の中、エネルギーが溜まり
まくってるだろ」
「オレの中に溜まってるのは、性欲だけだ!馬鹿!早く出させろ!」
「仕方ないなあ」
雨宮の口が黙ると、すれるシーツの音と身体のぶつかる音が脳みそを刺激する。我慢できず
に自分の股間に手を伸ばすと、後ろからの刺激とミックスしながらオレは昇り詰めていった。
「あ、ま・・・みやっ・・・はっはっ・・・ああっ」
「ううっ」
オレの締め付けに雨宮も唸る。
こうなったらお互い限界を知ってるから、無理なんで出来ない。昇り詰めていく感覚を
お互いの熱から感じ取ると、息遣いだけが響く。
重なる呼吸に、オレ達は気持ちよく運動エネルギーを放射していた。
ぐったりした後のけだるさを楽しんでると、雨宮が動き出した。
「あさってから冬休みだけど、丘予定ある?」
「塾以外あるわけないだろ」
「そう。じゃあ、センター対策の合宿でもする?」
「え?」
「そうすれば、いつでも丘のわからない問題に答えてあげれるし」
「でも、それじゃお前の勉強が」
「いつでも、丘のエネルギーを変換してやれるし」
「ば、ばっかじゃねえの!」
顔を逸らすと、雨宮が後ろから腕を回してくる。ぎゅっと抱きしめられて冷めかけていた
体温がまた少し上がった。
「クリスマスプレゼントもあげられないし、イベントも祝えない受験生なんだから、これ
くらいいいでしょ」
「・・・・・・うん」
雨宮の声に心がくすぐったくなる。
雨宮と一緒にいられる、それが今年のクリスマスプレゼント。お前には恥ずかしくて
言えないけど、今まで貰ったプレゼントの中で一番うれしかったぜ?
オレは回された腕に自分の腕を重ねて、しばしの幸福の時間を楽しんでいた。
了
ここまで、お読みくださりありがとうございました。
皆様もステキなクリスマスを・・・!
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