昨日に引き続きデリックの話。

ついさっき、デリックの同僚が生存を心配して確認しに来たんだ。
同僚っていうのが、なんと日本人で、異国の地で日本人に会うって
いうのが、なんか嬉しくてついつい喋ってしまった。

「このアパートにデリックっていうおかしなアメリカ人、いませんか」

初対面の日本人にこの聞き方する人もかなりすごい（笑）

「あー、います、います。ふらふらしてますよ」

「ふらふら！？」

「よく、俺の部屋にやってきて勝手に寝ていったり……今さっきも
買い物に行くって出てっちゃいましたけど」

「信じられない！……まあ、生きてるならいいや。明後日の検討会には
出てくるように伝えてもらえますか？」

「デリック、何してる人なんです？」

「大学の研究員ですよ。経済のね」

「ええ！？」

「知らなかったんですか」

「ただのおかしなアメリカ人かと思ってました」

デリック、実は大学の経済研究員だった（驚愕）
毎日フラフラしてるかと思ってたけど、フラフラしてるのは俺が
アパートにいるときくらいで、実は部屋や研究室にこもってるらしい。

「言動は怪しいよね」

「行動も怪しいですよ」

「……何かされました？」

「まだ何も。でも、ケツ狙われてて」

「あいつ、所構わずだな」

「え？俺だけじゃない？」

「そうですね。研究室でもよく言ってますよ」

「よかった〜〜〜」

「え？」

「ピンポイントで本気で狙われてたらどうしようかと思ってたんで」

「……全然良くないですよ。デリック、全方向に本気ですから」

なあああああ！！！＞＜